朧月庵

なんか書いたりします

2018年 宮守・遠野の旅 2日目 -白望山登山編-

去る2018年の5/22~5/24にかけて、宮守・遠野に行ってきました。

22日の深夜にネオイバラキを発ち、23日の日の出頃に現地着。
宮守と遠野を探索し、1日目を終えた所です。

宮守探索の様子はこちら。

hazymoon.hatenablog.jp

遠野探索の様子はこちら。

hazymoon.hatenablog.jp

さて2日目は、旅の共連れミゾヲチ氏とは別行動。
白望山を目指します。

白望山、あるいは白見山は、遠野北東部に位置する標高1,168mの山です。
遠野物語には六十四*1等、いくつかのお話に登場するので、ご存知の方も多いと思います。
そして咲-Saki-クラスタにはおなじみ、小瀬川白望さん*2のお名前の元ネタとなった(であろう)お山です。

いやまあ、遠野物語はともかく、咲-Saki-の方は名前の元ネタになった(と思われる)だけで、
作中には一切登場していないのですが、そんなことは些細なことですね。

さあ、シロに会いに、山に登っていきましょう。

まずは朝、ミゾヲチ氏を遠野駅に下ろし、別行動開始。

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駅名板のフォントがどうでしょうフォントに見える。

まずは国道340号線をひたすら北上します。
私が行った時は遠野市を出て宮古市に入った辺りでトンネル工事をしており、カーナビの表示とはちょっと違う道順を通りました。

ちょうどこのあたり→ https://www.google.com/maps/@39.4688176,141.6888877,15.5z

Mapを見ればわかりますが、トンネル開通の暁にはかなり通りやすそうな道になりそうです。
といいつつ、このあたりで県道26号線に折れ、曲がりくねった山道を進みます。
遠野市街から約1時間、地図で言う「土坂峠」に辿り着きました。

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このぐらいの広さの駐車スペースがあるので、車数台で行っても大丈夫でしょう。
そんな大人数でこの山に登ることがあるのか分かりませんが。

さて、駐車スペース横から登山道が始まります。

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実はこの日の朝、ラジオにて昨日見に行った五百羅漢付近で熊が出没した、
という情報を聞いていました。
そこで、手持ちのスマホで大音量で音楽を流しながら山へ行くことに。
人里離れた山奥に響く東方アレンジ
一歩間違えたら不審者はこっちだな。

風情も何もありませんが、背に腹は代えられません。
熊に出会わないよう祈りつつ、山道に分け入ります。
...できれば、人にも会いたくないですね。(シロを除く)

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こんな感じで車の轍がありました。
後で出てきますが、人の通った轍や刈払いの跡が随所にあり、
人の完全に通らない山というわけでは無さそうでした。
でなきゃ、駐車場になるレベルの待避所なんて作らないか。

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と、いきなり辺りの様相が変わり、クマザサに包まれた藪に変わりました。
この山を歩いていて思ったことですが、一定範囲毎に植生ががらりと変わり、
まるで違う山にワープしたのかと勘違いするような様相でした。
この辺りも、山中異界の概念を強く補強し、マヨヒガの逸話を生むに至ったこの山の特徴なのかもしれません。

さて、轍を頼りに進んでしばらく。

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こんな感じの場所に出ました。
倒木もそうですが、その奥の"斜面"。
轍は続いているような気がするのですが、どうも人が歩くには怪しい傾斜です。

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こんな感じ。行けなくはなさそうですが、どうも正規ルートには見えない。

GPSを確認した所、本来の登山道から位置もずれているようですし、一旦戻ります。

実は途中、峠のように一度上りが終わって広場のような場所となり、
そこから下るような箇所があったのです。

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というわけで、戻ってきました。
先程はこの道(?)を画面左奥に進んでいたのですが......
よく見ると、画面右手の林の方向に踏み跡があります。
これか?

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お?

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おお!どうやらこの道のようですね。
GPSとも符合します。

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以後、こんな感じの山道が続きます。
傾斜自体はかなりゆるく平坦で、常に尾根を歩き続けているような感覚でした。
実際歩きやすい山だと思います。
しかしその分道を見失いやすく、変だな?と思った時は既に本道から外れてしまっていたことも。
山に慣れていない人はもちろんですが、GPSを確認できる装備は必携でしょう。
幸いGoogleMapから登山道を確認できます。

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このような巨木が所々にあるのも、この山の特徴です。
もし常にこの山に入る人がいれば、山中では良い目印になるでしょう。
何度か巨木や朽木を乗り越える場面もありました。

さて、しばらく進むと、こんな所に突き当たりました。

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すごくわかりにくいと思いますが、画面右手と左手に道が別れています。

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1枚目の画像から左にパンした画像がこちら。
2枚目の画像の右手に見える道が、1枚目の画像左手の道に相当します。(ややこしい)

また2枚目の画像から分かる通り、ここの左手には枯れ川があるようです。

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ちなみにこちらは、同じ視点から振り返り、今まで来た道を撮影した画像です。
またわかりにくいと思いますが、今まで通ってきた道は、画像左手の木の陰に続いている道です。
画像右手、枯れ側沿いに見える道は今まで通ってきた道ではありません。

長くなりましたが、ここは都合四叉路になっているということですね!
いや、マジで迷いそう。
GPSを見る限り、向かって右側が正解のようです。
進みましょう。

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しばらく歩いていくと、開けた広場のような所に出ました。
画面奥に、第一チェックポイント地点が見えます。

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ツツジが咲いていて綺麗でした。

さて、どんどん進んでいきましょう。

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このように、一見道が無いところでも......

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よく目を凝らせば、道が見えてきます。

さて、そのまま登っていきまして......

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またもや植生が変わりました。
すると......

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第一のチェックポイント、長者森に辿り着きました!
遠野物語 三十四と七十五に登場する、離森のことですね。
一応山なのですが、先述の通り平たい道が多く、まさしく"森"という印象。
残念ながら、妖しの女性と巡り会うことはありませんでした。

長者森の頂上から下り、いよいよ白望山を目指します。

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途中にあった巨木シリーズ。
轍は、この下を潜っていきます。

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天然のアーチ。

さて、そのまま道沿いに進むと、急に開けた土地に出ました。

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新田牧場さんという牧場の放牧地のようです。
ちょっと失礼して、放牧地ギリギリの境界を進ませていただきましょう。

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そして、いよいよ本日の目的地、白望山の山頂が見えてきました。
シロ...... 待っててね......

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そうそう、この放牧地からは、早池峰山も望むことができました。

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ああ、なんと良い景色でしょうか!

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さて、いよいよ白望山の登山口です。
山の様相としては長者森と変わらず、一定範囲毎に植生ががらりと変わるのは同じ。
ただし傾斜がキツくなり、足下を確認することが多くなって、轍をしばしば見失いました。
山中に設置してあるスズランテープとGPSを使いながらルーティングをしていきます。

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山道をノシノシ登っていくと、また植生が変わりました。

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おや、これはそろそろ頂上か?

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あいや、まだでした。
しかし、山頂がだいぶ近づいているのが分かります。

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ちなみに、ここからのバックショット。
さらに進むと......

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三角点、そして......

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石碑がありました。
スズランテープと轍以外に一切人の気配の無かった山中に突然現れた石碑。
近代以前から、この山に出入りしていた人が確かに居たということを確信させます。

ちなみにこの石碑、インターネットで検索すると二十三夜講縁の石碑のようです。
庚申塔には見えないけれど、なんて書いてあるんだろう。

しかし、こんな山奥に、夜半過ぎに村人が連れ立って登り、
月待の宴をしていたというのでしょうか。
昔日に思いを馳せながら、さらに藪を漕いでいきます。

そして......

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辿り着きました!
白望山の山頂です。

山頂付近は刈払いがされていますね。
ですが藪の密度が酷く、海まで見えたという眺望は望めませんでした。
長者森と同じような看板がどこかにあるはずでしたが、それも見つけられず。

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山頂の証である看板や、三角点は既に朽ちていました。

さて、実はこの日、5/24ですね......

小瀬川白望さんの、誕生日なんですよね。

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はい、このために私、麓からこちらを担いできました。
遠野物語発刊100周年を記念した、まつだ松林堂さんの銘菓「ひゃくねんばうむ」です。
山頂でこちらを食べながら、宮守女子に思いを馳せます。

シロ、お誕生日おめでとう!

いや、ここ原作に一切登場していないんだよな

さて、初日に引き続き限界オタクを決めた所で、急いで下山しましょう。
なんせ今日中にネオイバラキまで帰らなければ行けないのですから。




というわけで、宮守&遠野、そして白望山と、大満足の聖地巡礼でした。
ホントは3月下旬に行こうかと思っていたのですが、
遠野はともかく白望山はまだ雪の中ということで見送り。
結果、少し遅れはしましたが、無事人生のクリアチェッカーを一つ達成した、という心持ちです。

こんな限界オタクの限界旅行についてきてくれたミゾヲチ君には改めて感謝を。
宮守、そして遠野、最高でした。
また、来ると思います。

それでは、今回はここまで。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

結局その日のうちには帰り着かず、ミゾヲチ君は結局ちゃんふーと亭で一泊するハメになったのは
また別のお話。

*1:所謂「マヨヒガ」の話

*2:小林立による本格美少女麻雀漫画、咲-Saki-に登場するキャラクター。作中の第71回全国高等学校麻雀選手権大会には岩手県代表「宮守女子高校」の先鋒として出場し、片岡優希(清澄高校)、上重漫(姫松高校)、神代小蒔(永水女子)の三名と激闘を繰り広げた。麻雀における能力は「迷うと手が高くなる」。先述の「マヨヒガ」のお話を絡めてデザインされたキャラクターと思われる。